急性扁桃炎(へんとうえん)とはどんな病気?症状や原因・治療方法まで解説!

熱がでて喉が痛かったり、食事が飲み込みにくくなったりしたときは急性扁桃炎(へんとうえん)になっているかもしれません。


自然に治ることもありますが、治療が遅れると合併症を発症して入院も必要になるくらいの危険性もあります。この記事では急性扁桃炎の症状や原因、治療方法などをわかりやすく解説します。

動画で解説を聞きたいという方は、ぜひ以下のYouTube動画をあわせてご覧になってください。

目次

急性扁桃炎とはこんな病気

急性扁桃炎とは、口の奥にある扁桃で炎症がおこり、のどの痛みや発熱などの症状がでる病気です。扁桃とは、ウイルスや細菌が口から身体のなかに侵入するのを防ぐ盾のような働きをしています。


しかしストレスや疲れ、急激な気温差などで免疫機能が低下してしまうと、盾である扁桃自体にウイルスや細菌が感染してしまい、急性扁桃炎を引き起こしてしまうのです。大人でも発症することはありますが、幼稚園児から小学生位までの子どもに多くみられる病気です。

急性扁桃炎の主な症状

特徴的な症状には喉の腫れや痛みがあり、炎症がひどい場合は唾液を飲み込むのもつらいほどの症状があらわれます。


口のなかをみると、扁桃が赤く腫れていたり、膿が溜まった白い斑点が確認できたりするのも特徴のひとつです。

そのほかにも、以下の症状があらわれる場合があります。


  • 頭痛
  • 38度を越えるような高熱
  • 関節痛
  • 全身倦怠感
  • 耳の痛み
  • 首のリンパ節の腫れ
  • 舌に赤いぶつぶつ(いちご舌)
  • 手足に赤い発疹

初期症状

初期症状は風邪と似ており、咳や喉のイガイガ感、寒気などがでる場合があります。急性扁桃炎と風邪を早期に見分けるのは難しいです。


風邪薬を服用して2〜3日たっても改善がみられない場合は、急性扁桃炎の可能性があります。

急性扁桃炎になる原因は細菌「溶連菌」の感染

急性扁桃炎はアデノウイルスなどのウイルス感染によっておこる場合もありますが、細菌である溶血性連鎖球菌(溶連菌)が原因でおこる場合もあります。

健康な状態では発症することはほとんどありません。

しかし、以下のような理由で身体の免疫力が低下すると感染しやすくなります。


  • ストレス
  • 疲労
  • 寝不足
  • 外気温の温度差
  • アレルギー
  • 風邪
  • 喉の乾燥
  • 喫煙

急性咽頭炎に続いて炎症が起きる

急性扁桃炎と似た病気で急性咽頭炎(いんとうえん)があります。急性扁桃炎と同じくウイルスや細菌感染によって起こり、喉の痛みや発熱を引き起こします。


咽頭とは、鼻と口が合流する所から食道と気道に分かれる部分までの管の部分です。食べ物や空気の通り道であり、声を出すためにも必要な器官です。咽頭は上から上咽頭・中咽頭・下咽頭の3つに分けられて、扁桃は中咽頭の一部にあたります。


急性咽頭炎のなかでも、特に扁桃の炎症が強い場合を急性扁桃炎と定義されています。

急性扁桃炎はうつる

急性扁桃炎は、感染者の咳やくしゃみなどの飛沫が原因(飛沫感染)でうつります。そのほかにも飛沫のついた衣類や家具に触れたり(接触感染)、大皿などで食事を一緒に食べたり(経口感染)してもうつる可能性があります。


特に溶連菌の感染力は強く、日頃から接触の多い兄弟・家族間では20%〜50%の確率でうつるので注意が必要です。家庭内で感染者がでた場合は食器を分けて、使用したタオル類は共用しないようにしましょう。

治療方法と治るまでの期間

急性扁桃炎の原因がウイルスの場合は、現在感じているつらい症状を減らすための治療(対症療法)が基本です。たとえば熱が高いなら解熱剤を使いますし、咳がつらいなら咳止めを使用します。


溶連菌などの細菌感染の場合は、対症療法を行うとともに、重大な合併症を予防する目的で抗生物質の服用が必要です。治療のために使う抗生物質はいくつか種類があり、体質や症状などに合わせて医師が選択します。


抗生物質の服用を始めて24時間たつと感染力が弱まり、他の人へうつす心配はほとんど無くなります。薬を飲み始めれば1〜2日で熱が下がり、1週間程度で体調が回復する方が多いです。


ここで安心して抗生物質の服用を中止してしまうと、「リウマチ熱」や「急性糸球体腎炎」などの合併症を引き起こす可能性があります。抗生物質は最後まできちんと服用してください。

急性扁桃炎のつらい熱や喉の痛みを早く治す方法

急性扁桃炎を早く治すためには、安静にして栄養をきちんと取ることが大事です。


喉が痛くて食事を食べられない方は、アイスクリームやゼリー飲料など喉ごしがよく食べやすい食品を活用しましょう。また、喉に負担がかかるような飲酒や喫煙は控えて、乾燥にも十分注意してください。

急性扁桃炎が重症化した場合

食事や水分がとれないほど重症化してしまった場合は、抗生物質や栄養補給の点滴を行うために3~7日程度入院する場合があります。炎症が広い範囲に広がって膿が溜まっているようなら、切開して膿を出させる場合もあります。


市販薬を飲んで数日たっても改善しない場合は、重症化をさけるために早めに専門医に相談しましょう。

急性扁桃炎の症状があるときはすぐに病院へ!

急性扁桃炎は身近な病気ですが、初期症状では風邪と見分けるのは難しく重症化する可能性もあります。さらに急性扁桃炎は繰り返しかかる方もいらっしゃいます。


もし発熱を伴う急性扁桃炎に年4回以上かかったり、2〜3年のうちに5〜6回以上発症したりする場合、扁桃を手術で摘出したほうがよい可能性もあります。気になる症状がありましたら、すぐにかかりつけの耳鼻咽喉科へ受診してください。

記事を読んで不明点や個人的な質問があれば、江東区 東大島駅徒歩1分 よし耳鼻咽喉科までお気軽にご連絡ください。

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この記事の監修者

山中 弘明のアバター 山中 弘明 よし耳鼻咽喉科 院長

【経歴】
・東京医科大学医学部 卒業
・東京医科大学八王子医療センター 初期研修修了
・日本大学板橋病院 勤務
・日本大学病院 勤務
・都立広尾病院 勤務
・よし耳鼻咽喉科 承継

【資格】
・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・身体障害者福祉法 第15条 指定医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 補聴器相談医

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