江東区東大島の耳鼻科 小児耳鼻咽喉科 花粉症

〒136-0072 東京都江東区大島9-3-16 東大島メトロプラザ1F

お問い合わせ03-5858-4187

MENU
       

耳や鼻のお悩み解決コラム

【薬で治る?】唾液腺炎の主な症状・原因、かかるべき診療科について詳しく解説

のど・口の病気

唾液腺炎とはこんな病気

唾液腺炎は、細菌やウイルスによって唾液腺に炎症が生じる病気です。症状として唾液腺の腫れや痛み、発熱などが起こります。

唾液腺は口の中に唾液を分泌する組織で、耳の前から下にあるのが耳下腺、顎の下にあるのが顎下腺です。

細菌による感染が原因で起こるものが化膿性唾液腺炎、ウイルスによる感染が原因で起こるのがウイルス性唾液腺炎です。

化膿性唾液腺炎

口の中の常在菌が、唾液腺の管から侵入して感染を起こす病気です。50〜60歳代に多く、典型的な症状は発熱や片側の唾液腺に痛みや腫れが起き、感染が進むと唾液腺から膿が出てきます。

口の中の乾燥が原因となりやすく、唾液の分泌が少ない時に発生しやすいです。

ウイルス性唾液腺炎

ムンプスウイルスの飛沫感染が原因で起こる病気です。代表的なのが流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)です。3〜6歳の小児に多いですが大人でも発症することがあり、典型的な症状には片側もしくは両側の耳下腺の痛みや腫れ、発熱があります。

唾液腺炎の主な症状の特徴

唾液腺炎の主な初期症状は、以下のようなものがあります。

  • 発熱
  • 悪寒
  • 片側の唾液腺の腫れ、痛み

特に細菌感染した片方の唾液腺に痛みや腫れが現れることが特徴です。

さらに、進行すると以下のような症状が起こることがあります。

  • 膿の排出
  • 口腔内の乾燥
  • 食欲の減退

唾液腺炎の初期症状は発熱や悪寒、痛み

初期は片側の唾液腺の腫れや痛みが強くなります。痛みは食事中など唾液が出やすい時に発生しやすく、酸っぱいものなど唾液分泌を促すものを食べると悪化するため注意が必要です。

悪寒・発熱などの症状も生じ、細菌感染により唾液が分泌される管から膿が出ることもあります。さらに唾液腺が硬くなり、唾液の分泌が減少することにより口の中が乾燥します。

唾液腺炎の原因

唾液腺炎の原因は細菌感染もしくはウイルス感染によるものです。細菌感染の場合、様々な理由により唾液の分泌が低下し、口の中が乾燥することや唾液腺が結石で塞がれることで発症します。ウイルス感染の場合、原因は感染者の飛沫を吸い込むことによる飛沫感染があります。

細菌感染の場合

唾液腺に細菌が感染するのは、口腔内の乾燥もしくは唾液腺の閉塞が主な原因です。口腔内が乾燥するのは、加齢や食欲不振、免疫性疾患などにより唾液の分泌が減少することが理由です。

細菌感染の場合、最も原因となりやすい菌に黄色ブドウ球菌があります。黄色ブドウ球菌は健康な人の鼻の中や口の中、皮膚などに常在菌として存在しています。

ウイルス感染の場合

ウイルス感染の流行性耳下腺炎は一般的に「おたふくかぜ」と知られており、病原体はムンプスウイルスと呼ばれるウイルスです。ムンプスウイルスは感染力が強く、人の密集したところで冬の終わりから春先にかけて流行するウイルスです。

ムンプスウイルスの任意予防接種を1歳以上で受けられますが、予防接種を受けていても一部の人には免疫ができなかったり、時間経過とともに免疫が弱くなったりして、青年や成人で感染することも増えてきています。

唾液腺炎の治療方法

唾液腺炎の治療薬として細菌に効果のある抗生物質や、口腔内を清潔に保ち、唾液分泌を促すためのうがい薬や人工唾液があります。ウイルス性の場合は特効薬がなく、基本的に解熱薬を中心とした対症療法です。

また、唾液腺炎の治療・予防に有効なものに唾液腺マッサージがあります。こうした治療法により、唾液腺炎は約1週間で治癒することが多く、さらに治療をせず自然に治るケースもあります。

抗生物質の投与

細菌性の場合、原因菌である黄色ブドウ球菌に対して効果のある抗生物質(ジクロキサシリン、セファクロル、クリンダマイシンなど)を内服します。細菌培養検査で唾液腺炎の原因菌を特定し、抗生物質を変更する場合もあります。

うがい薬や人工唾液の使用

うがい薬や人工唾液を使用することで、口の中を清潔に保ち、唾液腺炎の発症を遅らせ、炎症の程度を軽くできます。医療薬では「クロルヘキシジン」といううがい薬でうがいをし、口の中の細菌を除去します。

自宅であるものでうがい薬を代用する場合、生理食塩水(500mLの水に小さじ1杯分の食塩5gを溶かした食塩水)を使用すると効果的です。また、人工唾液を使用することで、口の中の乾燥を防ぎ口腔内の細菌を洗い流します。

解熱薬の投与

発熱に対しては解熱剤を投与します。中枢神経に働きかけて解熱鎮痛効果を発揮するアセトアミノフェン(カロナール)がよく使われます。高齢者や小児に対しても副作用が少なく使いやすい薬です。

唾液腺マッサージ

唾液腺マッサージは唾液の分泌を促すために、唾液腺を刺激するマッサージです。高齢になるほど食事回数・量が減り、口腔内の乾燥が進みます。唾液腺をマッサージすることにより、唾液の分泌が促されるだけでなく、筋肉の緊張をほぐし、痛みなどの症状を和らげます。

唾液腺マッサージは食事の前にやると効果的です。唾液の分泌が促進され、食事の準備が整った状態になります。唾液腺マッサージのやり方は以下の通りです。

  • 耳下腺マッサージ:指をほおに軽くあて、上の奥歯のあたりを後ろから前へ向かって5〜10回ゆっくりと回す。
  • 顎下腺マッサージ:耳の下から顎の下までを親指で骨の内側を5〜10回押す。
  • 舌下腺マッサージ:顎の真下から上方向に舌を押し上げるように5〜10回押す。

唾液腺炎は1週間程度で治る

ウイルス性唾液腺炎の場合、鎮痛剤や解熱剤で治療することで、1週間程度安静にしていれば治ります。基本的に軽症の場合が多いですが、時に髄膜炎や膵炎、難聴などの合併症を引き起こすことがあるため、注意が必要です。

唾液腺炎は自然治癒する場合もある

唾液腺炎は自己免疫力により、自然治癒する場合もあります。人間の体には怪我や病気になった場合、それらを治そうとする免疫力が備わっているためです。免疫力を高めるためには、休養やバランスの良い食事、睡眠を心がけることが効果的です。

唾液腺炎の検査方法

唾液腺炎の検査や治療は耳鼻咽喉科が専門です。早期に検査・治療しておくことで、症状の悪化を防げます。唾液腺炎には合併症のリスクがあり、ひどい場合は入院や手術が必要です。感染が疑われている場合、唾液腺の膿を採取して菌の検査をします。

血液検査をし、炎症反応や唾液腺炎を起こした時に数値が高くなるアミラーゼの数値を調べます。腫れや痛みが続く場合は、腫瘍や唾石がないかを調べるためにCT検査やMRI検査が必要です。

診断や治療は耳鼻咽喉科

唾液腺炎の診断や治療は耳鼻咽喉科が専門です。耳鼻咽喉科では脳と眼を除く首から上の部分の病気を扱います。専門的な技術と知識を持った医師が適切に治療する環境が整っています。耳や顎の腫れや痛みなど、唾液腺の症状は耳鼻咽喉科の受診がおすすめです。

症状がひどい際は入院・手術の場合もある

唾液腺炎は基本的に1週間程度で軽快しますが、中には髄膜炎・膵炎・難聴などの合併症を招き入院となったり、手術が必要となったりする場合もあります。症状が続く場合は放置せず、耳鼻咽喉科を受診することが大切です。

唾液腺炎の予防法

唾液腺炎の予防のために大切なのは、うがいなどをして口の中を清潔にしておくことです。痛みが強い場合、症状を和らげるためにどのようなものを食べれば良いか知っておきましょう。

うがいをして口内を清潔にする

うがいで口の中を清潔にすることで、唾液腺炎のリスクを減らせます。唾液にはウイルスが溜まりやすく、咳、くしゃみで飛沫となって感染を拡げます。感染の予防にはうがいで口の中の細菌やウイルスを減らすことが大切です。

うがい薬は生理食塩水(500mLの水に小さじ1杯分の食塩5gを溶かした食塩水)や市販のノンアルコールのものがよく使われます。

症状がある場合は唾液が出やすい食べ物は避ける

痛みなど症状がある場合、酸っぱいものなどを食べると、唾液の分泌が多くなり痛みや腫れが強くなるので注意が必要です。腫れと痛みの強い間の食事は柔らかいもの(おかゆ、うどんなど)が良いでしょう。

唾液腺炎はうつる場合もある

ウイルス性唾液腺炎の場合、患者の唾液の飛沫を鼻・咽頭から吸い込むことによる飛沫感染と、患者の唾液で汚染されたものと接触することによる接触感染があります。保育所や学校など子供同士が接触する場所でよく流行します。濃厚接触を避け、手洗い、うがいを励行して予防することが大切です。

唾液腺炎と関連のある病気

唾石症、唾液腺腫瘍でも唾液腺の腫れや痛みが起きたり、自己免疫疾患であるシェーグレン症候群でも口腔内の乾燥が起き、感染に繋がったりすることがあります。これらの病気と唾液腺炎との違いを解説します。

唾石症

唾石症とは、唾液腺や管の中に「唾石」ができることによって起こります。細菌感染が原因である唾液腺炎と違い、唾石の原因は唾液が出る管の炎症や唾液の停滞によるものです。食事中に唾液腺が腫れて痛みが起こり、だんだんと症状が消えていくのが特徴です。唾石が自然に出てこない場合は、口の中を切って唾石をとり出します。

>>【あごが腫れて痛む】唾石症の原因や症状・治療方法を解説!

シェーグレン症候群

口腔や目の乾燥を主な症状とする自己免疫疾患です。自己免疫疾患では、自分の体の免疫機能が何らかの理由で自分の体を攻撃してしまいます。唾液腺炎では唾液腺の腫れ、痛みなど局所的な症状が中心ですが、シェーグレン症候群では目の乾燥や肺炎、神経症状など全身に症状が及ぶことが特徴です。

シェーグレン症候群は人工涙液や人工唾液などで対症的に治療しながら、メトトレキサートなど免疫抑制剤やステロイドを内服して治療をします。

唾液腺腫瘍

唾液腺に腫瘍ができる疾患ですが、唾液腺炎とは違いほとんどの場合、腫瘍ができた初期は痛みがありません。大半の唾液腺腫瘍は良性ですが、約10〜15%で悪性腫瘍が見られます。悪性の場合、徐々に強くなる痛み、顔の痺れ、顔面神経麻痺などが特徴です。唾液腺炎は内服薬で治療しますが、唾液腺腫瘍の場合は手術で摘出します。

唾液腺炎の場合は耳鼻咽喉科を受診しよう

唾液腺炎は唾液腺が細菌やウイルス感染を起こす病気です。耳や顎の腫れや痛みが出てきますが、治るまでに1週間ほどかかり、抗生物質、鎮痛剤で治療します。

口腔内が不衛生であったり、乾燥したりしているとリスクが上がるので、うがいや唾液腺マッサージなどで口腔衛生を保つことが必要です。1週間程度で自然に軽快することが多いですが、重篤な合併症を伴う可能性もあります。耳や顎に異常を感じたら早めに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。

記事を読んで不明点や個人的な質問があれば、江東区 東大島駅徒歩1分 よし耳鼻咽喉科までお気軽にご連絡ください。

TOP
求人案内
求人案内