江東区東大島の耳鼻科 小児耳鼻咽喉科 花粉症

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耳や鼻のお悩み解決コラム

【亜鉛不足?】味覚障害の主な症状、原因、治し方やコロナの影響について詳しく解説

のど・口の病気

味を感じにくくなったり、何を食べてもおいしくなかったりする場合は味覚障害を起こしているかもしれません。

味覚障害の裏には、命に関わる病気が隠れている場合もあります。

この記事では、味覚障害の主な症状や原因、治療方法やコロナウイルス感染症の影響について詳しく解説します。

味覚障害の主な症状

味覚障害とは、味が分からないだけではなく、食べ物の味が変わってしまう場合や、何も食べていないのに口の中に変な味がするなど、味覚に関するさまざまな異常をきたす病気です。

味覚障害の主な症状は以下の7つに分類されます。

  • 味覚欠如・・味をまったく感じない。砂を食べているような感覚
  • 味覚減退・・味を感じにくくなる。味付けが薄いと感じる
  • 味覚過敏・・薄い味付けでも濃いと感じてしまう
  • 異味症・味覚錯誤・・甘い物を苦いと感じるなど、本来と違う味に感じてしまう
  • 解離性味覚障害・・苦味や甘み、塩味など特定の味だけ分からなくなる
  • 自発性異常味覚・・何も食べてないのに苦味や塩味などを感じてしまう
  • 片側のみ味覚消失・・舌や口の片側にだけ味が分からなくなる

味覚障害の9つの原因

味覚障害は、味を感じる流れのどこかに異常がおこることが原因で発症します。

人間の舌には、味を感じる「味細胞」が、味蕾(みらい)と呼ばれるつぼみ型の細胞の中にあります。味蕾に食べ物の情報が入ると、味細胞が味を判別し、神経を通じて大脳にその情報を送ることで、「甘い」や「辛い」などの味を感じることができるのです。

味覚障害を発症する主な原因は、亜鉛不足や老化などを始め9つです。

偏食による亜鉛不足

味覚障害で最も多い原因は、偏食などによる亜鉛不足です。

味蕾は約1ヶ月という短い周期で入れ替わっており、味蕾の新陳代謝には亜鉛が必要不可欠です。食事バランスが悪く亜鉛が不足してしまうと、味蕾にある味細胞の機能が低下して味覚障害をおこしてしまいます。

老化による味蕾の減少

味細胞がある味蕾は年齢とともに減少すると言われ、高齢者では若い人の半分程度にまで減ってしまうと言われています。味蕾が減ると味を感じにくくなってしまうため、高齢の方では味覚障害がおこりやすくなります。

全身疾患の影響

貧血や腎不全など、口や舌とは関係ない全身疾患が原因でも味覚障害はおこるのです。

腎機能が低下すると味蕾に必要な亜鉛の吸収が落ちてしまいますし、鉄分が不足して貧血状態になってしまうと、舌の表面が赤くつるつるとした状態になります。その結果味覚障害につながるのです。

また、糖尿病が進行すると神経障害をおこしてしまうため、味覚を伝える神経の働きも悪くなり味覚障害をおこします。

そのほかにも、脳腫瘍や頭のケガなど脳の働きに障害がおこっても発症する場合があります。

ストレス

ストレスを長期間受けていたり、一過性の強いストレスを受けたりしてうつ病不安症などになってしまうと、それらの症状のひとつとして味覚障害がおこります。

ストレスを発散させようとして暴飲暴食すると、亜鉛不足にもつながってしまいます。

薬剤の副作用

薬の副作用でも味覚障害がおこります。神経の流れを障害してしまう薬口の中を乾燥させてしまう薬亜鉛の吸収を悪くしてしまう薬などでおこります。

糖尿病や高血圧、パーキンソン病や関節リウマチなどの慢性疾患の薬だけでなく、抗アレルギー薬や消化性潰瘍治療薬など身近な薬が原因でおこる可能性もあるのです。

基本的には薬剤を中止することで味覚は回復しますが、回復には時間がかかる場合もあります。

がんや放射線治療

がんや放射線治療でも味覚障害がおこることがあります。

がん治療のために、脳を含む首から上に放射線治療をおこなうと、口の中や喉の粘膜も放射線に被爆してしまいます。その結果炎症がおこり、味覚障害になってしまうのです。

口腔・のどの病気

火傷や入れ歯が合わないことによる舌炎や、かぜによる咽頭炎、唾液分泌が減少するシェーグレン症候群でも味覚障害はおきます。

舌や喉が炎症して腫れてしまうと味蕾が正常に働かなくなりますし、唾液の量が減ってしまう(ドライマウス)と、食べ物の味情報を味蕾が感じにくくなってしまいます。

その結果として味覚障害がおこるのです。

神経障害

舌で受け取った味情報は鼓索神経(こさくしんけい)を通じて大脳へ伝達されることで味を感じるため、鼓索神経に障害がおこると味覚障害がおきてしまいます。

鼓索神経は舌前方2/3を支配しており、顔面神経から分岐して中耳を通って舌神経につながります。顔面神経麻痺慢性中耳炎で神経が傷ついてしまったり、中耳炎の手術で鼓索神経に触れたりすると味覚障害になる可能性があるのです。

顔面神経麻痺や中耳炎について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

>>【後遺症が残ることも】顔面神経麻痺の症状や原因・治療方法について解説!

>>【ツラい】中耳炎の症状や治療方法・原因を解説!赤ちゃんや子どもだけでなく大人も発症

嗅覚障害

脳は口から入っている味の情報鼻から入ってくるにおいの情報を合わせて味を感じています。そのため、嗅覚障害がおこると味覚障害もおきやすくなるのです。

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などが原因で鼻づまりがおこっている場合は、そちらの治療を先におこなうことで味覚障害が改善する場合もあります。

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

>>【2人に1人】アレルギー性鼻炎の症状や治療方法を解説!免疫療法で根本治療も可能

>>【最悪手術も】副鼻腔炎・蓄膿症の症状や治療方法・原因について解説

味覚障害の治療法

味覚障害の治療で大事なことは亜鉛や鉄分など不足している栄養素の補充と原因疾患の治療です。

味覚障害をおこしてしまう病気がある場合はその治療をおこない、味覚障害の副作用がある薬を服用している場合は治療薬を変更できないか検討します。口腔内が乾燥しないように対策することも重要です。

食事療法

味覚障害の原因の多くは亜鉛や鉄分などのミネラル不足です。また、ミネラルの吸収にはビタミンも必要なため、を意識する必要があります。

亜鉛を多く含む食品は以下の通りです。

  • 牡蛎やホタテ
  • 牛肉や豚レバー
  • ナッツ類
  • 海藻類
  • 乳製品
  • 大豆製品

ビタミンCは亜鉛の吸収率を高めてくれますので、レモンなどのビタミンCが豊富な食材と一緒に摂取しましょう。

唾液腺マッサージ

唾液量が減って口腔内が乾燥すると味を感じにくくなってしまいます。口腔内の乾燥を防ぐためには、唾液分泌を促す唾液腺マッサージが有効です。

唾液腺は3か所あり、それぞれのマッサージ方法は以下の通りです。

  • 耳下腺マッサージ:指先の内側をほおに軽くあて、耳の下あたりから前へ向かって5‐10回ゆっくりと回す
  • 顎下腺マッサージ:耳の下から顎の下まで、骨の内側を親指で5箇所くらい1‐2秒押す
  • 舌下腺マッサージ:顎先の下の柔らかい部分を親指で押し上げるように5‐10回押す

朝起きたあとや、食事の前におこなうと効果的です。

サプリメントや薬での治療

血液検査の結果亜鉛や鉄分が欠乏していると診断した場合は、亜鉛や鉄分を補う内服薬を処方します。食事で十分に栄養を補給できない場合は市販されているサプリメントを上手に活用するのも良いでしょう。

口腔内の乾燥がひどい場合は人工唾液なども処方する場合があります。味覚障害の原因がうつ病などの精神的な疾患の場合は、抗うつ薬や抗不安薬などでの治療が必要です。

味覚障害の治療には最低3~6か月間はかかる

亜鉛不足による味覚障害の治療は即効性がなく、3〜6か月近く治療に時間がかかる場合があります。定期的に採血や味覚の回復具合を判定して、治療経過の確認が必要です。

味覚障害は自覚症状によって判断するため、症状の経過が分かりにくく急激な改善も期待できません。治療には時間がかかることを理解し、気持ちにゆとりを持って治療を受けてください。

味覚障害の検査方法

問診などをおこない具体的な症状や食事状況味覚障害をおこす病気や薬を服用していないか確認します。唾液量を測定することで口腔内の環境もチェックします。

採血で肝臓・腎臓に異常の有無や亜鉛・鉄・銅などの微量元素やビタミン不足がないか確認することも大切です。

味覚の有無を直接調べる検査方法として電気味覚検査とろ紙ディスク法などがあります。この検査をおこなえば、どの神経が機能していてどの神経が障害をおこしているか確認することができます。

電気味覚検査

微量の電気を舌に流して刺激を与えて、味覚障害の程度や部位を調べる検査です。味の感じ方は個人差があり、金属を舐めたような味や酸味、苦味などを感じる方がいます。電流を流す検査なのでペースメーカーを装着している方にはおこなえません

電気味覚検査では味ごとの細かな感じ方は測定できないため、味覚を詳細に検査したいときはろ紙ディスク法が有効です。

ろ紙ディスク法

ろ紙ディスク法とは、味をどの程度感じることができるか味覚感度を調べる検査です。

検査方法は、濃度を5段階に分けた4つの味(甘味・塩味・酸味・苦味)がついているろ紙をひとつずつ舌の上にのせて、味を正しく感じ取れるかを確認します。

この検査をおこなうことで、どの味に対して障害をおこしているのか判断することができます。

味覚・嗅覚のセルフチェック項目

いきなり病院へかかるのが不安な方は、味覚や嗅覚に異常が出ていないかご自身でチェックしてみましょう。

以下のチェック項目を確認して頂き、1つでも該当する内容があったら味覚・嗅覚に障害が起こっている可能性がありますので早めに専門医へご相談ください。

  • 味をまったく感じない
  • 食べ物がおいしくない
  • 食事中以外でも常に口の中が苦い
  • 本来の味と違う味がする
  • 甘みや酸味、塩味など特定の味が分からない
  • 調味料の使用量が増えた
  • においが分からない
  • 何もない所でにおいがする
  • 食事がおいしくなく食欲が低下して体重が減った

味覚障害には別の病気が隠れていることもある

味覚障害は別の病気の症状として発症していることもあります。糖尿病や腎不全、脳神経障害・甲状腺疾患などの病気や、副鼻腔炎や中耳炎、咽頭炎など耳鼻咽喉科と関係の深い病気が原因となっている場合もあります。

消化性潰瘍などで胃腸が荒れていると、亜鉛や鉄分の吸収が悪くなってしまうため味覚障害になりやすいです。

味覚障害は新型コロナウイルスの後遺症の場合もある

新型コロナウイルス感染症の後遺症で嗅覚障害・味覚障害がおこる場合があります。嗅覚障害に伴って発症したり、直接ウイルスが味を感じる神経を障害したりして味覚障害をおこします。

80%近くの方は1ヶ月程度で改善しますが、症状が長期化している方は専門医による治療が必要になりますので早めにご相談ください。

味覚障害がある場合は耳鼻咽喉科へ

味覚障害では舌の状態や唾液の分泌量など口腔内の診察をおこないます。味覚障害は嗅覚障害をはじめとする耳や鼻、のどの病気が関係していることも多いです。これらの病気に詳しいのは耳鼻咽喉科の専門医です。

味覚障害かもしれないと感じたらまずは耳鼻咽喉科を受診しましょう。

味覚障害かも?と思ったら早めに病院を受診しよう

味覚障害は命に関わる病気ではないですが、生活の質を大きく落としてしまう病気です。治療が遅れてしまうと、完全には味覚が戻らなくなってしまう可能性があります。

味覚障害かもしれないと思ったら、早めに耳鼻咽喉科へご相談ください。

記事を読んで不明点や個人的な質問があれば、江東区 東大島駅徒歩1分 よし耳鼻咽喉科までお気軽にご連絡ください。

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