【後遺症が残ることも】顔面神経麻痺の症状や原因・治療方法について解説!

朝起きたときに顔が動かしにくかったり、歯磨きをしたあとにうがいがうまくできなかったりした経験はありませんか?それは顔面神経麻痺という病気になっていたのかもしれません。


治療が遅れて症状が長引くと、後遺症が残る可能性がある病気です。この記事では顔面神経麻痺の症状や原因、治療方法についてくわしく解説しています。

目次

顔面神経麻痺とはこんな病気

顔面神経麻痺とは、顔の表情をつくる筋肉(表情筋)に関係する神経が麻痺することで、顔を思い通りに動かせなくなる病気です。


顔の片側半分に症状があらわれ、目や口の働きに影響がでたり、味覚や聴覚に異常が起こったりするなど、日常生活にさまざまな影響がでてしまいます。治療が遅れてしまうと、後遺症が残ってしまう可能性もある病気です。

顔面神経麻痺の主な症状

顔面神経が麻痺してしまうため、顔の表情がつくれなくなります。顔面神経は左右で分かれており、多くの場合片方のみに症状がおこるため、左右非対称で顔が曲がったような状態になるのが特徴です。


顔面神経は表情筋以外にも、涙や唾液の分泌・味覚・鼓膜の働きにも影響があります。主な症状は以下の通りです。


  • まゆげやまぶたが下がる
  • 目が乾燥する
  • 口が上がらず、笑顔が作れない
  • 食べ物を口からこぼしてしまう
  • 音がひびく
  • めまい
  • 肩こり
  • 味覚異常

前兆や初期症状とは

前兆として、顔面神経の通り道である耳の後ろや耳の下に痛みを感じることがあります。しかし、前兆がなく突然発症する場合が多いです。


初期症状は、目がうまく閉じられず目の乾燥を感じたり、食べ物や飲み物が口からこぼれやすくなったりするなど顔の動きに違和感を覚えます。

顔面神経麻痺になる原因

ごくまれに脳梗塞や脳出血など脳の病気からくる場合(中枢性)もありますが、大部分は顔面神経の麻痺(末梢性)が原因で発症します。


末梢性の主な原因は単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスなどのウイルスです。これらのウイルスは一度感染したあと体内から除去されるわけではなく、神経節に居続けます。


水痘・帯状疱疹ウイルスは日本人の成人約9割の人が体内にもっていると言われています。このウイルスは、健康で元気なときは活動せず休眠しているので問題はありません。


しかし、過労や寝不足などでストレスがたまると、免疫力が低下してしまいウイルスが活性化し、神経を傷つけてしまいます。そのほか事故などによる外傷や中耳炎、耳の腫瘍などが原因で発症する場合もあります。

顔面神経麻痺の治療方法

顔面神経麻痺は発症から1週間程度で急激に悪化するため、早めの治療がとても大切です。治療にはステロイド剤や抗ウイルス剤、ビタミン剤などを使用します。


早期に治療を開始できれば2週間から4週間程度で回復する方が多いです。麻痺の強い方や、麻痺が半年を過ぎても残ってしまった方には手術を行う場合もあります。

回復の兆しはいつ・どんな形で現れる?

回復には個人差がありますが、軽症は1ヶ月以内・中等症は1-3ヶ月程度、重症だと3-6ヶ月で回復される見込みがあります。しかし、6ヶ月を超えても回復しない場合は後遺症が残るおそれがあります。


動かせなかった部位が少しずつ動かせるようになれば、回復の兆しがあらわれている証拠です。このあと解説する検査方法や、自分でチェックする方法などを活用して回復具合を判断します。

後遺症が残ったときはもう治らないのか

後遺症が残ってしまうと、基本的には自然には治りません。重症度や治療の開始タイミングにもよりますが、麻痺の回復に伴って後遺症が出る場合があります。


麻痺してから6ヶ月以上治らなかった場合は後遺症が残る可能性が高いです。主な後遺症は以下の4つです。


  • 目と口が同時に動いてしまう「病的共同運動」
  • 顔がひきつりや目元がピクピクなる「けいれん」
  • 食べ物を口に入れて咀嚼すると涙がでてくる「ワニの涙」
  • 口を動かすなど顔の筋を動かしたときに耳鳴りを感じる「アブミ骨筋性耳鳴」

正しいリハビリが重要

顔の筋力の低下を防ぎ、後遺症の悪化を防ぐためにもリハビリやマッサージは大切です。ただし、間違ったやり方では逆効果になるため、正しいリハビリをすることが重要です。


はやく治したいと考えて強く顔を動かしたり、低周波刺激などを行ったりすると、逆に後遺症を引き起こしてしまう可能性があるので注意してください


顔を動かすときは力を入れすぎず、ゆっくりとストレッチするように動かすことを意識しましょう。後遺症の一つである病的共同運動を予防するため、目と口は一緒に動かさないように意識することも大切です。

顔面神経麻痺の検査・診断

顔面神経麻痺の検査では、自覚症状の確認と合わせてどの部分にどの程度麻痺が存在するのかを確認します。麻痺の程度を確認するためによく行われるのが「柳原法」です。


柳原法では、安静時の顔の左右対称性と9つの顔面の動きを0点・2点・4点の3段階で評価し、38点以上なら正常、10点以下で重症(完全麻痺)と判断します。また、20点以上であれば軽症、12~18点であれば中等症と評価されます。


その他にも涙の量や味覚・聴力の検査、筋肉の電気活動を確認する誘発筋電図検査(ENoG)などがあります。

自分でチェックする方法

顔の動きに問題はないか、鏡を見ながら自分自身でチェックしましょう。顔を動かしていないときのまゆげや口角の高さ、目の開き具合に左右差があり対称ではない場合は注意が必要です。


目をうまく閉じられなかったり、「イー」の口の動きが出来なかったりなど、顔を思い通りに動かせない場合も顔面神経麻痺の可能性があります。

顔面が麻痺したときは何科を受診すべき?

顔面神経麻痺かもしれないと思ったら、耳鼻咽喉科もしくは脳神経外科・脳神経内科を受診しましょう。


特に末梢性の顔面神経麻痺であれば、耳鼻咽喉科が最も専門的に見てもらえます。何科を受診すべきかお悩みであれば、まずはお近くの耳鼻咽喉科を受診してみてください。

少しでも顔面の筋肉に違和感を感じたら病院へ

顔面神経麻痺は早期発見・早期治療がとても重要な病気です。

毎朝顔を洗うときなどに鏡で自分の顔をチェックして、目や口に違和感が出ていないか確認しましょう。

少しでも気になる症状がでたときは、近くの耳鼻咽喉科にまず相談するようにしてください。

記事を読んで不明点や個人的な質問があれば、江東区 東大島駅徒歩1分 よし耳鼻咽喉科までお気軽にご連絡ください。

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この記事の監修者

山中 弘明のアバター 山中 弘明 よし耳鼻咽喉科 院長

【経歴】
・東京医科大学医学部 卒業
・東京医科大学八王子医療センター 初期研修修了
・日本大学板橋病院 勤務
・日本大学病院 勤務
・都立広尾病院 勤務
・よし耳鼻咽喉科 承継

【資格】
・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・身体障害者福祉法 第15条 指定医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 補聴器相談医

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