その日中の眠気、コロナ後遺症かも?特徴や原因、治療法について詳しく解説

コロナウイルスに感染してから、日中の眠気やだるさが続いていませんか?それはもしかしたらコロナウイルス感染の後遺症かもしれません。

この記事では、コロナ後遺症による睡眠障害に関して特徴や原因、治療法について詳しく解説します。

目次

コロナ後遺症の眠気はこんな特徴がある

コロナ後遺症では、日中のつらい眠気や倦怠感などの日常生活に支障をきたす症状がでる場合があります。1日中だるくて何もできないほどの重篤な症状を感じる方もいます。

さらにブレインフォグ(脳の霧)といって、思考力や集中力の低下も同時にみられることもあるのです。

コロナウイルス感染症による体調不良が改善しても、睡眠の質が悪かったり、眠れない日が続いたりする方はコロナ後遺症による睡眠障害かもしれません。

コロナに感染した人の中で約10%が睡眠障害を発症する

厚生労働省が報告したデータによると、コロナ感染症で入院した525例を追跡調査した結果、感染後6ヶ月経過した段階で約10%の方に睡眠障害が発症していました。12ヶ月経過後も7%の方に睡眠障害が残っているデータもあります。

コロナ感染後にうつや不安症を発症し、睡眠障害のひとつである不眠症状を感じる方もいます。

子どもが発症することも多い

コロナ後遺症の中で子どもに比較的多く発症するのが睡眠障害と倦怠感です。朝起きられなかったり、倦怠感がひどくて学校に行けなかったりして不登校になってしまうケースも報告されています。

自己免疫疾患やアレルギーをもっている小児に発症しやすいと言われています。自分自身で上手に症状を伝えることのできない乳幼児では、まわりの大人が注意して異変にいち早く気づいてあげましょう。

コロナ後遺症の眠気症状の原因は?

コロナ後遺症による眠気症状の明確な原因は判明していません。コロナ後遺症でさまざまな精神疾患の発症確率が高まるという報告もあり、コロナウイルスは脳細胞に悪影響を与えている可能性があります。

そのほかにも免疫系の異常環境変化による心理的負担など、さまざまな原因が考えられています。

日中の眠気は不眠症やうつが原因の可能性もある

コロナ感染症後は、不眠症やうつなどの精神疾患をおこすリスクが上がるとされております。これらの病気が原因で、夜間十分な睡眠がとれなければ日中に眠気がでてしまう可能性があります。

精神疾患からくる夜間不眠が原因の可能性もあるため、原因となる疾患を治療することが、日中の眠気改善のためには重要なことです。

コロナ後遺症の眠気症状は過眠症の可能性もある

コロナ感染後の眠気は後遺症が原因ではなく、二次的に別の過眠症を発症してしまった可能性もあります。これから紹介する3つの病気に関して、当てはまる特徴がありましたら専門医へご相談ください。

ナルコプレシー

ナルコレプシーとは、日中に突然強い眠気に襲われたり、突然眠りこんでしまったりする病気です。ナルコレプシーの睡魔は強烈で、大事な場面でも眠ってしまったり、前触れなく眠ってしまったりなど、コントロールできない睡眠発作に襲われます。

ナルコレプシーの特徴的な症状として以下の3つがあります。

  • 情動脱力発作:びっくりしたり気持ちが高ぶったりしたときに身体の力が抜けてしまう
  • 入眠時幻覚:寝入るときに幻覚を見るような体験をする
  • 睡眠麻痺:寝入るときに金縛りのような症状にあう

特発性過眠症

睡眠を十分にとっているのに、日中に強い眠気に襲われて日常生活に支障をきたす病気です。

ナルコレプシーと違い眠気はある程度我慢できますが、一度寝てしまうと1時間以上寝てしまいます。脳の機能異常が指摘されていますが、詳しい原因は解明されていないため「特発性」と言われています。

過眠症状に加えてめまいや頭痛、手足が冷えるなどの自律神経症状がおきるのが特徴です。

反復性過眠症

昼夜を問わず1日中寝てしまう傾眠期が不定期にあらわれる病気です。

傾眠期は2日から4週間ほど続き、1年に1回以上おこります。10代での発症が多く、男性の方が女性の4倍有病率が高いです。傾眠期は食行動の異常や性欲亢進、認知機能の低下などがみられますが、傾眠期が終わると正常に戻ります。

発症原因は不明で確立した治療法もありません。100万人に1人〜2人という希少な病気のため、適切な診断を受けてまわりに理解してもらうのが大切です。

コロナ後遺症の眠気症状の治療法

コロナ後遺症による睡眠障害の原因はまだ判明しておらず治療方法が確立されていません。診断結果に応じて、いま悩んでいるつらい症状に合わせた治療をおこないます。

治療には時間がかかることがあり、西洋薬だけでなく漢方薬も使って治療をする場合があります。

漢方が効く場合がある

コロナ後遺症の治療には漢方薬が効果的な場合があります。東洋医学では患者さん自身の体内のバランスや体質(証)に合わせて、さまざまな漢方薬から効果的なものを選びます。

眠気や倦怠感などの後遺症は「気血両虚」といってエネルギー不足が原因で起こっている可能性があり、十全大補湯や人参養栄湯などが効果を期待できます。

ただし、ご自身の体質に合わない漢方薬を使用してしまうと逆効果になってしまうかもしれません。安易に市販薬などで対応せず、まずは医師にご相談ください。

コロナ後遺症の眠気症状は完治まで時間がかかることもある

コロナ後遺症は完治まで1年以上かかる場合があります。眠気などの睡眠障害はコロナ感染症から1年経った後でも7%の方が症状で悩んでいるというデータもあります。

あせってしまうと、それがストレスに感じてしまいますので、睡眠障害はつらいかと思いますが気長に治療を続けましょう。

コロナ後遺症の眠気症状の診断方法

問診や検査をおこない、他の睡眠障害や精神疾患、薬の副作用などコロナ後遺症以外の可能性がないか確認します。

睡眠症状を診断するためには以下のさまざまな検査方法があります。

  • 睡眠状態を評価するための睡眠日誌
  • 睡眠の質や呼吸問題、異常行動などを評価する終夜睡眠ポリグラフ検査
  • ナルコレプシー、特発性過眠症などを調べる反復睡眠潜時検査
  • 睡眠時無呼吸症候群を調べる検査
  • むずむず足症候群を調べる下肢不動化検査

必要な検査は症状によって異なりますので、まずは専門医へご相談ください。

コロナ罹患後に眠気が続く場合は医療機関へ

コロナウイルス感染症から回復しても、眠気などのさまざまな後遺症が残ってしまう方がいます。人によっては、つらいコロナ後遺症が1年以上長引いてしまう可能性もあるのです。

日中の眠気や倦怠感が続く場合はコロナ後遺症が原因かもしれません。つらい症状を我慢せずに一度専門医へご相談ください。

記事を読んで不明点や個人的な質問があれば、江東区 東大島駅徒歩1分 よし耳鼻咽喉科までお気軽にご連絡ください。

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この記事の監修者

山中 弘明のアバター 山中 弘明 よし耳鼻咽喉科 院長

【経歴】
・東京医科大学医学部 卒業
・東京医科大学八王子医療センター 初期研修修了
・日本大学板橋病院 勤務
・日本大学病院 勤務
・都立広尾病院 勤務
・よし耳鼻咽喉科 承継

【資格】
・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・身体障害者福祉法 第15条 指定医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 補聴器相談医

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