江東区東大島の耳鼻科 小児耳鼻咽喉科 花粉症

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耳や鼻のお悩み解決コラム

購入時に注意したい集音器と補聴器の違いとは?迷った場合の選び方もわかりやすく解説

耳の病気

家族との会話を聞き返すことが増えて、「補聴器」や「集音器」の購入を検討した方も多いのではないでしょうか。どちらも音の聞こえを良くする道具ですが「補聴器」と「集音器」の違いを理解している人は少ないです。違いを知らず、補聴器が必要な方が集音器を使ってしまうと、難聴の症状が進行する可能性もあります。

この記事では購入前に注意したい「補聴器」と「集音器」の6つの違いと、どちらを購入するか迷った場合の選び方について解説します。

集音器と補聴器の6つの違い

集音器と補聴器の違いを知らずに購入すると、思ったような聞こえ方の改善や効果を感じられない可能性があります。

集音器と補聴器の違いは以下の6つです。

  • 機能性
  • 商品カテゴリー
  • 対象者
  • 販売・流通方法
  • 価格
  • アフターケア

購入前に注意したい集音器と補聴器の違いについて詳しく解説します。

機能面の違い

集音器は内蔵のマイクで拾った音を全て大きくして耳に届けるのに対し、補聴器は使用者が聞き取りにくい音域だけを大きくして耳に届ける機能をもっています。

集音器は周囲の音をすべて大きくして耳に届けるので、聴力の低下に伴う日常生活の「聞こえにくさ」を緩和します。ただし、大きな音はさらに大きく聞こえるため、集音器は必要時のみ装着して使う方が多いです。

補聴器はマイクで拾った音を音域に分け、使用者が聞き取りづらい高さの音だけを大きくして耳に届けます。どの音域が聞き取りづらいかは病院で検査が必要ですし、補聴器の調整も専門店で設定します。

補聴器は日常的な使用を想定して設計されているため、騒音の中でも相手の言葉を聞き取りやすくする機能や雑音を抑える機能、ハウリング防止機能を搭載している製品が多いです。

騒音や衝撃音など大きい音は一定以上大きくしない制限機能も備わっています。

集音器に比べて補聴器はより多くの機能が搭載された高機能な製品です。

商品カテゴリーの違い

集音器は電子機器、補聴器は医療機器に分類されます。

集音器は家電や電子機器のカテゴリーに分けられます。家電としての保証はありますが、聞こえ方の改善・効果に対する保証や、装着時の安全性に基準は設けられていません

医療機器とは、薬機法に従って開発され、厚生労働省に認められた製品です。医療機器に分類される補聴器は、安全性や効果効能の審査を通過した後に販売されます。購入時には専門医の診断を元に発行された処方箋が必要です。

使う対象者の違い

集音器は軽度難聴の人を対象にした製品で、補聴器は中等度以上の難聴の方や、耳の持病・疾患がある方に向けた製品です。

小さな声や騒音の中での会話が聞き取りにくい、聞き間違いが多いなどの自覚症状がある場合、軽度難聴の可能性があります。軽度難聴の聴力レベルは25〜40デシベル未満(木の葉のふれあう音や、ささやき声)です。軽度難聴の方は補聴器の適応外ですが、集音器を使って聞こえが改善するケースもあります

補聴器の適応と診断される中等度〜高度難聴とは、普段の会話の聞き間違いに加え、大きな声で会話しないと聞こえない状態です。中等度難聴の聴力レベルは40〜70デシベル未満(図書館の音〜洗濯機と1メートル離れた距離の音)と広範囲です。

生まれつきの難聴や耳の持病で聴力が落ちた方も、聴力レベルによっては補聴器の適応となります。人との会話だけでなく、電話やインターホンの音、屋外で車やバイクの音などが聞こえづらいため、補聴器が無いと日常生活に危険が及びます

補聴器の購入には専門医の処方箋が必要なため、中等度以上の自覚がある場合、まずは耳鼻科に相談しましょう。

販売・流通方法の違い

集音器は通販や家電量販店で購入できます。補聴器は医療機器なので、購入の際は医師の処方箋が必要です。購入場所も補聴器の調整ができる専門店で対面購入することが一般的です。

集音器は聞こえが悪くなったと感じた際、医師の診断や処方が無くても気軽に試せます

テレビや新聞の広告で見かける製品のほとんどは集音器で、通販や家電量販店など購入方法も手軽です。

補聴器を購入する場合は、耳鼻科を受診する必要があります。補聴器の使用が必要と医師に判断された場合のみ、処方箋が発行され専門店で購入できます。補聴器を使用する際は、使用者に合わせた調整が必要です。調整には専門的な知識と技術が必要なため、集音器のように通販や家電量販店での購入はできません。

平均価格の違い

集音器は数千円〜1万円前後で購入できる製品が多いですが、補聴器の相場は20万円前後です。

日本補聴器工業会の調査によると、認定補聴器技能者の対応を受けて補聴器を購入した人のうち、67%の人が1台10〜30万円の補聴器を購入していました。

集音器と補聴器の値段の違いは、製品の性能と専門家によるアフターサポートの有無です。

補聴器は使用者ごとに調整が必要で、専門家によるアフターサポートもあるため、集音器に比べて高額になります。価格に応じて機能は増えますが、相場の20万円前後の補聴器であれば標準的な機能を備えています

補聴器は医療機器ですが健康保険は適応されません。ただし、公的補助制度の対象にもなっているので、購入前に耳鼻科へご相談ください。

調整やアフターケアの違い

補聴器は使用者に合わせた調整やアフターサポートがありますが、集音器に同様のサポートは基本的にありません。

集音器の利点は、通販や量販店でいつでも購入でき、誰でも手軽に使い始められる点です。基本的な集音器の性能では、音量調整までが限界です。製品によって音の方向が分かるものもありますが、補聴器のように使用者の聴力に合わせた調整はできません。

補聴器を取り扱う専門店には、認定補聴器技能士や言語聴覚士など専門資格を保有したスタッフがいます。購入前のカウンセリングや機械での聞こえ方を検査して、使用者に合わせた補聴器の調整を対面で行います。専門店によっては購入前に補聴器を試せる貸し出しサービスの利用が可能です。使用者のライフスタイルや生活環境に合わせた製品を提案してもらえます

集音器か補聴器か購入を迷った場合の選び方

集音器と補聴器の違いを理解しても、どちらを選べば良いのか迷われると思います。ご自身の症状では、補聴器と集音器のどちらが必要なのか悩む方も多いでしょう。購入する際に、補聴器と集音器を選び分けるポイントについて解説します。

自分の症状に合っている方を選ぶ

聞こえにくさが軽度難聴の範囲であれば、集音器で改善を感じられるかと思います。しかし、中等度以上の難聴の場合、集音器では効果を感じにくい場合があります。むやみに集音器を使い続け、大きな音をより大きくした音で聞き続けると、難聴を進行させる可能性があるため注意が必要です。

難聴の程度は病院で詳しく検査しないと分かりません。日常生活で聞こえに不自由さを感じたら、一度耳鼻科で聴力検査することをおすすめします。

耳鼻科で相談してみる

集音器か補聴器のどちらを購入すべきか迷ったら、聞こえにくさの原因を調べるためにも専門の耳鼻科に相談してください。

耳鼻科では問診や診察・聴力検査の他に、必要に応じて血液検査や画像検査を行います。かかりつけの耳鼻科が無い場合は、補聴器相談をしている耳鼻科を選んでください。補聴器が必要と判断された際、処方箋を発行してもらうだけでなく、補聴器の専門店を紹介してもらえます。

難聴の種類や程度によっては、補聴器以外の治療が選択肢に入るケースもあります。日常生活で聞こえに不自由がある場合は、専門医である耳鼻科に相談してみましょう

補聴器と集音器の違いを理解して選べるようにしよう

補聴器と集音器は、どちらも耳につけて聞こえづらさを改善する目的で作られた製品です。集音器と補聴器の違いを正しく理解していないと、期待した効果が得られない可能性があります。それぞれの特性を理解した上で、自分の症状に合った製品を選びましょう。

聞こえにくい症状には病気が隠れている可能性もあります。聞こえにくさを感じ、補聴器や集音器の購入を迷っている方は、まずは専門家である耳鼻科へ相談してください。

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