突発性難聴
耳の病気
名前の通り、ある日突然片側の耳の聞こえが悪くなる病気です。
突然発症し、難聴の原因がはっきりとしないものを総称して突発性難聴といいます。
耳鳴りや耳が詰まった感じ(耳閉感)、めまい、吐き気などを伴うこともあります。
子供から年配の方までどの年齢でも発症することがあり、特に働き盛りの世代に多くみられます。
ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病などがあると起こりやすいことがわかっています。
完治するためには、早めに治療を開始することが重要です。
原因
耳の中にある音を感じ取る細胞(有毛細胞)が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こります。
ウイルスの感染や耳に血液を送っている血管の血流障害が原因であると考えられていますが、まだしっかりとした原因は明らかになっていません。
精神的ストレス(人間関係のトラブル、環境の変化)、肉体的ストレス(過労、睡眠不足)などがあると起こりやすいことが知られています。また、糖尿病が影響しているともいわれています。
- 急に聞こえにくくなる(難聴)
- 耳が詰まった感じがする(耳閉感)
- 音の聞こえ方がいつもと違う
- 耳鳴り
- めまい
- 嘔気、嘔吐
治療
治療は、耳によい薬(ビタミンB12製剤、血管拡張薬、代謝促進薬等)やステロイド内服、点滴になります。ストレス回避のため、安静にして過ごすことも大事になります。 難聴の程度が重い、治療に反応しない、ステロイドの全身投与が難しい場合は、耳の中にステロイドを注入する「ステロイド鼓室内注入療法」を行うことがあります。
突発性難聴は治療のガイドラインがなく、各治療(一部の施設でしか行えない高圧酸素療法、星状神経節ブロック等を含む)に対する効果の評価が定まっていません。
発症後1週間以内に、適切な治療法を受けることが重要で、治療開始が遅れるほど治療効果が下がります。
難聴や耳鳴等の後遺症が残る可能性が高くなるため、早期診断、治療が肝要です。
ある日起きたら耳が聞こえにくい、聞こえ方がおかしいと感じたら、早めに近くの耳鼻科におかかりになることを勧めます。