良性発作性頭位めまい症
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は耳が原因のめまいであり、1番頻度が高い病気です。
頭を動かしたときに、数十秒から長くとも数分程度ぐるぐるとしためまいが繰り返し出現するものです。
原因
耳の中には、聴覚にかかわる蝸牛、平衡感覚にかかわる三半規管、前庭があります。
三半規管は3本の半規管で構成されており、中には内リンパ液で満たされています。
頭を動かすとリンパ液に流れが生じ、その流れが半規管にある神経を刺激し、頭がどのように動いたかを認識する仕組みになっています。頭が回転する動きをとらえる部分です。前庭は耳石器という装置があります。
お皿の上にゼリーをのせ、その上に小さい粒(耳石)がのったような構造です。
前後左右や上下に勢いよく動くとゼリーと粒の位置がずれ、そのずれが神経を刺激します。
それによって頭の直線的な動き、重力に対する頭の傾きをとらえます。BPPVは三半規管の中に耳石が入ってしまうことにより、めまいが起こる病気です。
頭を強く打ったあと、入院などで長期間臥床した時、骨粗鬆症がある方などに起こりやすいとされていますが、これらの原因がない方でも起こることが多々あります。
症状
頭を特定の位置に動かした際に、めまいを感じます。
起床時や就寝時、寝返りの時、棚の上のものをとる際や洗濯物を干す際に上を向いた時、頭を洗う際や床の物をとろうと下を向いた時にめまいの症状が誘発されることが多いです。
めまいに伴って難聴や耳鳴などの聴覚に関わる症状は出ないです。吐き気や嘔吐をともなう場合がありますが、手足が動かない、感覚が麻痺するといった症状は出ないです。
治療
めまいに対するリハビリ運動(耳石を元の位置に戻すため)にて多くの場合、2、3週間程度で改善しますが、中には長期化する場合もあります。症状緩和の目的に投薬による治療も行います。