実は…耳掃除は不要!実施する場合の正しい方法や頻度・注意点・関連する病気について解説

毎日のように耳掃除をしていませんか?実は耳掃除は不要で、間違った方法で続けると病気になる可能性があるのです。この記事では、耳掃除するときの正しい方法や注意点・関連する病気についてくわしく解説します。

目次

耳掃除の正しい方法

耳の奥にある耳垢(みみあか)は自然と外側に排泄され、耳の入り口1㎝程度の場所まで出るため、基本的に耳垢がたまることはありません。

耳掃除をおこなう場合は、目に見える手前の部分を綿棒や耳かきでやさしく掃除するだけで十分です。耳の奥まで掃除しようとしたり、ガリガリ強くこすったりすると、炎症を起こして外耳炎などの原因になってしまいます。

耳掃除の頻度は2〜4週間に一度で十分で、1回の掃除時間は2〜3分程度にしてください。

入浴後は綿棒での耳かきを控えるべき

入浴後は水分で耳垢が柔らかくなっているので、綿棒で耳かきをすると耳垢を奥に押し込んでしまい、炎症やかゆみの原因になってしまいます。

綿棒より細い竹の耳かきを使用しても、耳垢を奥に押し込んだり傷つけたりしてしまう可能性があります。入浴後の耳かきは控えるようにしましょう。

耳鼻科を受診する方がよい

正しい耳掃除が難しい方や、耳垢がたまっていると感じている方は、耳鼻咽喉科へ受診しましょう。耳鼻咽喉科では拡大鏡などを使い、耳を傷つけずにキレイに耳掃除をすることができます。かゆみや痛みがある場合は、外耳炎や中耳炎などの病気が発症していないかもチェックしてくれます。

痛みや難聴などの違和感がなくても、耳掃除は保険診療内で処置が可能ですので、安心して受診してください。

耳掃除をしなくてもよい理由

耳の中も手足の皮膚と同様にターンオーバー機能があり、耳垢が耳にたまらず自然に排泄される仕組みになっています。耳の奥にある耳垢は数週間で手前に出てくるので、基本的に耳掃除はしなくても大丈夫です。

むしろ綿棒などで耳かきをすることで耳垢が奥につまったり、炎症を起こしたりしてしまう可能性が高まってしまいます。

耳掃除をする際の注意点

耳掃除は、外側に出てきた耳垢をやさしく拭き取る程度で十分で、強くこすったり奥まで掃除したりする必要はありません。関連する病気にならないためにも、力の入れ方や掃除をしてよい場所など、耳掃除をするときにはいくつかの注意点があります。

強く耳掃除をしない

強く耳掃除をすると皮膚を傷つけてしまい、湿疹や外耳炎などの原因になります。外耳炎をおこすとかゆみが生じるため、かゆい所を耳掃除したくなってしまい、どんどん悪化する悪循環を起こしてしまいます。耳掃除は手前に見える部分をやさしく掃除するだけで十分です。

奥まで触らないようにする

耳の奥は皮膚がうすく、痛みに敏感な部位です。痛みを感じるようなら奥まで触りすぎていますので注意してください。痛みを我慢して耳掃除を続けてしまうと、皮膚が厚くなり痛みに鈍感になってしまいます。その結果耳かきをする力が強くなってしまい、外耳炎などの病気につながります。

耳に水やオイルは入れないようにする

市販されている耳掃除用のオイルや水などは耳に入れないようにしましょう。耳垢が水やオイルを吸収して膨らみ、耳の穴をふさいでしまう可能性があります。湿った耳垢は皮膚にくっついて取りにくく、強く掃除すると皮膚を傷つけてしまいます。

子どもの耳かきにはより注意が必要

耳かきは子どもにとって恐怖感が強い作業です。

痛みや耳の違和感で突然動いてしまう可能性があり、耳の中や鼓膜を傷つけてしまう可能性があります。耳掃除中に子どもが動いてしまい、鼓膜を貫通して耳の骨を傷つけてしまった事例報告もあります。

大人と同様に見える範囲だけやさしく掃除して、耳垢の量が多いと感じた場合は、耳鼻咽喉科へ受診しましょう。

耳掃除によってなる可能性のある疾患

間違った耳掃除を続けてしまうと、耳がつまったり炎症を起こしたりして、耳の病気を発症してしまう可能性があります。痛みやかゆみ、聞こえにくさなどの自覚症状が出ている場合は注意してください。

耳垢栓塞

耳垢栓塞(じこうせんそく)とは、耳垢が過剰にたまってしまい、耳の穴をふさいでしまう病気です。耳がふさがるため難聴や耳のつまり感、耳鳴などの症状をおこします。耳掃除のしすぎや、ベトベトした湿った耳垢が出やすい方に発症しやすい病気です。

外耳炎

鼓膜より外側である外耳に炎症がおこる病気です。強く耳掃除をした場合や、爪などによる傷が原因で発症します。痛みや赤み、かゆみ、耳だれなどの症状をおこします。自然に治癒することもありますが、腫れや痛みがひどく、3日以上たっても治らない場合は受診してください。

外耳道湿疹

耳掃除のしすぎで外耳道の皮膚が荒れて乾燥した結果、皮膚のバリア機能が低下すると、外耳道湿疹という病気になる可能性があります。耳の皮膚がただれて、強いかゆみや分泌液を伴う場合があります。

耳垢がごっそり取れる場合は病気の可能性も

耳垢は自然と排泄されますが、ごっそり大量に耳垢が取れる場合は注意してください。細菌や真菌などの感染症にかかっている場合や、手術が必要な重篤な病気を発症しているかもしれません。

外耳道真珠腫

耳の奥で耳垢が固まり、そこの皮膚で炎症をおこした結果、骨にまで耳垢が侵入してしまう病気です。耳だれや痛みを感じたり、ひどいと難聴や神経麻痺を生じたりすることもあります。治療には医師による定期的な耳垢の除去が必要で、骨の損傷が大きい場合には手術が必要になることもあります。

外耳道真菌症

外耳道真菌症とは、外耳道で真菌(カビ)が増殖して、炎症をおこしてしまう病気です。外耳道湿疹や外耳炎が長引き、耳の中が湿った環境になることで発症します。耳の中の洗浄や抗真菌薬を使用するため、定期的な通院治療が必要になります。

耳垢が気になる場合は耳鼻科を受診しよう

耳掃除は基本的におこなう必要がなく、ご自身で掃除する場合も1か月に1回程度にひかえて、皮膚を傷つけないようにやさしく掃除をしてください。間違えた耳掃除を続けてしまうと重篤な病気に発展してしまう可能性もあります。耳垢が気になったり、耳にかゆみを感じたりした場合は、はやめに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

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この記事の監修者

山中 弘明のアバター 山中 弘明 よし耳鼻咽喉科 院長

【経歴】
・東京医科大学医学部 卒業
・東京医科大学八王子医療センター 初期研修修了
・日本大学板橋病院 勤務
・日本大学病院 勤務
・都立広尾病院 勤務
・よし耳鼻咽喉科 承継

【資格】
・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・身体障害者福祉法 第15条 指定医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 補聴器相談医

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