耳掃除で綿棒が黄ばむ・臭い原因は?病気のリスクや正しい耳掃除の方法についても解説

耳掃除をした綿棒が黄ばんでいたり、なんとなく臭いと感じたりすることはありませんか?それは耳の中で病気が起こっているサインかもしれません。この記事では、黄色い耳垢や臭い耳垢に潜む病気のリスクについて詳しく解説します。

目次

耳垢が黄色い原因は?

耳の中が傷ついていたり汗の分泌量が多かったりする場合などが原因で耳垢が黄色くなります。耳垢は外耳道からはがれた皮膚や分泌物、外部から侵入した埃などが混ざってできたものです。耳の環境や分泌物の量によって、耳垢は黄色くなるのです。

耳掃除のし過ぎで耳が傷ついている

耳垢が黄色くなっているのは、耳かきのし過ぎで耳の中が傷ついているせいかもしれません。外耳道の皮膚はとてもうすいため、耳かきのし過ぎで傷ができると、その傷口から出る分泌物が耳垢に混ざって黄色くなります。耳掃除をしている時に痛みを感じたり、黄色い耳垢が出たりするようなら耳掃除のやりすぎかもしれません。

汗の分泌量が多い

アポクリン汗腺という脇や陰部にある汗線は、外耳道の中にもあります。

アポクリン汗腺から出る汗は乳白性で粘り気がある汗で、それ自体に臭いはありません。しかしタンパク質や脂質を含んでいるため、常在菌と混ざることで黄色っぽくなり臭いを発します。

ワキガのひどい人や汗っかきの人は、耳の中も汗の分泌量が多いため、黄色い耳垢が増える原因となります。

耳垢が湿っている

体質的に耳垢が常に湿っている方がいます。先ほど説明したアポクリン汗腺の数は生まれた時から決まっていて、増減はありません。もともと外耳道にアポクリン汗腺の数が多い方は粘り気がある分泌物が出やすいため、常に黄色っぽくて湿った耳垢になります。

耳垢には2種類ある

耳垢にはカサカサしている乾性耳垢と、しっとりしている湿性耳垢の2種類があります。耳垢の性質は遺伝によって決まり、生涯変わることがありません。乾性耳垢と湿性耳垢の割合は地域差があり、ヨーロッパやアフリカではほとんどの方が湿性耳垢である一方、日本人の70〜80%は乾性耳垢であると報告されています。

乾性耳垢

乾性耳垢の方は外耳道の汗腺が少ないため、耳垢もカサカサしています。耳には自浄作用があり、耳の奥ではがれた皮膚などを外側に運ぶ構造になっています。乾性耳垢の方は耳垢が自然と耳の外まで排出されることが多いため、基本的に耳掃除をする必要はありません。

小さい子どもや代謝機能が落ちた高齢者、補聴器などを使用している方は耳垢が溜まることがあるため、2~4週間に1度程度を目安に掃除しましょう。自分で掃除する場合は、耳の入口から1cm程度を細い綿棒で優しく掃除してください。

耳掃除の頻度について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

>>正しい耳掃除の頻度はどれくらい?耳あかの持つ働きや注意点も併せてご紹介

湿性耳垢

湿性耳垢の方は外耳道に汗腺が多い体質のため、耳垢に分泌物が混ざってしっとりとします。しっとりした耳垢は外耳道にくっついて外側に排出されにくいので、乾性耳垢の方に比べると耳垢がたまりやすいです。湿性耳垢の方は数日に1度程度を目安に耳掃除しましょう。ただし、綿棒で奥まで掃除しようとすると耳垢を押し込んでしまうので、耳の入口から1cm付近の耳垢を綿棒で優しく拭き取ってください。

そもそも耳垢とは耳の中に付着した埃や皮膚の残骸

耳垢とは、外耳道からはがれた皮膚、外から入った埃などに加えて、汗腺や皮脂腺から出た分泌物が混ざったものです。耳垢は汚くて不要なものというイメージがありますが、実は耳を保護するために必要なものです。

耳垢には耳の中を保護する役割がある!

耳垢は、耳を守る3つの役割があります。

1つ目はゴミや埃の侵入防止です。外耳道の入口付近から出る分泌物で埃を吸着させて、奥に行かないように守っています。

2つ目は乾燥防止です。外耳道のうすい皮膚に耳垢が付着することで乾燥から守り、皮膚をなめらかに保っています。

3つ目は抗菌作用で、耳垢に含まれるリゾチームやlgAなどの成分が菌の繁殖を防いでいます。

耳垢が黄ばんでいる・臭うことで疑われる病気

人によって耳垢の性質は違いますので、一概に黄色くて臭い耳垢が病気というわけではありません。しかし、いつもの耳垢よりも黄ばんでいたり、何か臭いが変だと感じたりした場合は病気のサインかもしれません。

耳垢の色が変わる可能性のある病気を2つ紹介します。

外耳炎

外耳炎とは外耳道が細菌によって炎症を起こす疾患です。耳掃除をやりすぎて耳を傷つけるとそこから分泌物が出るため、いつもより黄色っぽい耳垢になります。傷から細菌感染を起こすと細菌が増殖して臭くなります。

この時にかゆみを感じて掻いたり、耳垢を取り除きたくて耳掃除をやりすぎたりするのは逆効果です。さらに傷がついて痛みや腫れが出てしまいますので、痛みやかゆみを感じたら早めに耳鼻科受診をしてください。

外耳炎について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

>> 外耳炎とはどんな病気?主な症状や原因・外耳道湿疹についても解説

中耳炎

鼓膜より内側を中耳といいます。中耳炎とは、中耳に細菌やウイルスが入って炎症を起こす疾患で、強い耳の痛みや発熱等の症状を伴います。鼓膜を破って膿が外耳道に出てくると、粘り気のある耳だれと強い臭いが発生します。綿棒にいつもと違う色や臭いの分泌物がついた時は中耳炎を疑いましょう。

耳垢が気になる時は耳鼻科を受診しよう

耳垢は耳を保護するために必要なものです。耳には自浄作用があり、基本的に耳掃除をしなくても耳あかは自然と排泄されます。しかし、耳垢の色が黄色っぽかったり、臭いを感じたりする場合は外耳炎や中耳炎等の病気かもしれません。耳鼻科では耳掃除だけでの受診も大歓迎です。耳垢が気になる時は、専門の耳鼻科を受診しましょう。

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この記事の監修者

山中 弘明のアバター 山中 弘明 よし耳鼻咽喉科 院長

【経歴】
・東京医科大学医学部 卒業
・東京医科大学八王子医療センター 初期研修修了
・日本大学板橋病院 勤務
・日本大学病院 勤務
・都立広尾病院 勤務
・よし耳鼻咽喉科 承継

【資格】
・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・身体障害者福祉法 第15条 指定医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 補聴器相談医

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